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天才ほどベーシックを大事にする

*2月16日のfacebook記事です

~天才と一般の人の分かれ目はどこなのか~
私はいつも思う。
本当の天才というのは「努力することも天才」なのだと。
一方、そうでない人ほど「当たり前のこと」を大事にしない。

天才であるほど「過程」をことさら大事にする。
結果に行きつく「1つ1つ」を絶対にすっ飛ばさないのだ。
多くの人は、早く結果を出すことに意識が行き、焦る。
そして、1つ1つが雑になる。
どこかで手抜きする。

この一瞬の手抜きがまさに「天才とそうでない人」の分かれ目なのかもしれない。

だから、天才ほど謙虚なのだと思う。
傲慢ささえも「一瞬の手抜き」になることを知っているからだ。

◆出張先の東京。
今、私の目の前に1冊の本がある。
何度も何度も読み込まれたことを証明するかのように、裏表紙はボロボロ。
中を開くと、線がたくさん引いてある。

1991年、今から23年前に出版された『V・サスーンの奇跡』。
カットの写真や、サスーンが「どのように人を惹きつけてきたのか」のマインドなどが1冊に詰め込まれている貴重な教科書だ。

この本の「持ち主」は23年間、片時も離さずこの本を読み込んできた。
それが、札幌のカリスマ美容師・じゅん先生。

数々のカット大会で何度も優勝し、
40歳を超えてからも「V・サスーンの大会」で優勝することに挑戦し続けた。
(業界ではありえないことらしい)

18回目のチャレンジで、ついに、
じゅん先生は「V.サスーンの全国大会」で優勝する。
46歳。今から11年前になる。

この本を手にして、12年目で、じゅん先生は優勝したことになる。

この本は、その「優勝の瞬間」を知っている。
その瞬間を手に入れるための、夜明けまでの壮絶な練習も知っている。
優勝を目指す中で、「人に勝つことではなく、過去の自分を超えること」に意識が変わったことも知っている。
そして、最愛のお姉さんとの別れのことも。

この本は、じゅん先生のその生きざまにずっと伴走していたのだ。

◆そんな大事な本が、一体なぜ今、私の手元にあるのか!?
じゅん先生は年末から入院している。
札幌に戻り、2回目のお見舞いに行く旨をお伝えた時
「佐藤さんに渡したい本がある」と予告された。

病院で手渡されたのが、このボロボロに読み込まれた本だった。
(もちろん貸してくれただけ)

聞くと、23年間、片時も離さず、いつもカバンの中にこの本を入れて、
何度も何度も読み込んだとおっしゃる。
優勝した後でさえも読み込んだというのだ。

ページを開くと、じゅん先生のプロ意識の原点が伝わってくる。
「美容師を超えて文化人になる」ことを目標にしてきた美意識の原点が、
活字を超えて存在しているのだ。

天才ほど「ベーシック」を大事にする。
この本を手渡されたときに、心底そう感じ取った。
ページを開くと、23年の重みに次のページをめくれなかった。

10日間ほど、札幌の自宅を留守にするのだけれども、
この本を置いてくるわけにはいかなかった。

だから今、目の前にこの本がある。
今夜はゆっくり、じゅん先生の人生に伴走してきたこの本を読んでみようと思う。
この本を手渡してくれた気持ちを味わいながら。

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